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両面プリント基板の制作実験(その4) [PIC]

 暫く間が空いてしまいましたが両面プリント基板作成の続編です。
 前回の「両面プリント基板の制作実験(その3)」の最後に「表面実装部品で設計しないと両面基板のメリットが出にくいような気がする」と書いたように今回は表面実装部品を使った基板制作をチャレンジしました。

 回路としては前回同様に PIC16F88 を使用した独自方式の赤外線コントロール用の送信基板です。回路図は下図のようになります。DesignSparkPCB を使って作成しています(例によって見づらくてすみません)。
 PL3に接続される赤外線LED用の電流制限抵抗は抵抗値が赤外線LEDのVfに依存するため外付けとし、回路からは削除しました。

赤外線コントローラ(表面実装版)


 パターン設計結果は次のとおりです。前回と比較すると基板サイズが約1/3程度になりました。インダクタは手持ち部品の関係で表面実装タイプではありません。

トップパターン ボトムパターン

トップシルク ボトムシルク


 プリントパターンの転写方法としては前回紹介した独自方式のオブラート転写方式で行っていますが、今回の改善点や注意点等を記載します。

  1. オブラート貼付面の平滑化
     スティック糊(「シワ無しPiT」を使用)でコピー用紙にオブラートを張り付けた後、すぐにまだ温度が上がらない状態のラミネータを通すとオブラート面がかなり平らになります。
     この時オブラート貼り付け面には転写シートを重ねラミネートを通した後に剥がし易いようにしています。また、ラミネータの圧力調整として更に1枚のコピー用紙を重ねてラミネータを通しています(今回使用した両面基板の厚さは1.4mmです)。

  2. ラミネート後時間を置く
     オブラートを張り付けた後、時間を置かないとページプリンタでプリントパターンを印刷した際にオブラートが伸びてトナーに亀裂が入ります。今回は30分以上時間を置くようにしました(加熱後のラミネータに通して水分を抜くことも可能かも)
     でもあまり時間を置くとオブラート面に皺が出ることもあるので注意が必要です(周りの湿度も影響すると思います)。
     下の写真はプリントしたパターンの亀裂の例です。

    亀裂例 改善例

  3. 両面のパターンの位置合せ
     前回は基板の対角線上の穴を開けて、その穴に針を通してパターンの位置合せを行いましたが、今回はプリントパターンの外輪を正確に切り出し、プリント基板に乗せた状態で上下左右の隙間を等間隔にした状態でマスキングテープで四隅を固定することで両面パターンの位置合せを行いました。
     前提条件としてプリント基板の切出しサイズが正確であることが必要となりますが、今回はCNCで基板を切出しています。
     また、パターンを印刷した用紙のサイズを基板よりも小さくすることで従来からあったラミネータを通すと微妙に位置がずれる(ラミネータのローラーに基板が入る時にパターンを印刷した用紙の位置がずれる)という問題も解決しています。

    CNCで基板の切出し 位置合せの様子

  4. 転写結果
     上記で位置合せしたものをコピー用紙に挟んでラミネータを3回程通して転写しました。
     転写結果が下の写真です(クリックして拡大しないと良く見えないけど)。改善はしていますが相変わらずトナー印刷部分に小さな穴が開く現象(以降、トナーホールと記載)が発生しています。
     マジックである程度は修正していますが、パターンが微細なので超極細のマジックがないと完全な修正は困難です(amazonで極細マジックを注文しましたw)
     トナーホールはオブラート面の凹凸が原因とも思いましたが前々回の転写シートを使った転写でもトナーホールが発生しているのでページプリンタのトナーの特性が原因かもしれません(2回転写する等の改善策があるかもしれない)。

    転写結果(トップ) 転写結果(ボトム)

  5. エッチング結果
     パターンの転写結果に不安があったものの、エッチングしてみた結果が下の写真です。導通確認をしたところ、3ヶ所に断線が発生していました。orz
     四隅に若干の銅が残っている部分がありますがこれは転写時にマスキングテープを張った部分なので、エッチング前にアルコールで拭くなどすれば解決できると思います(気を付けないとトナーまで取れちゃいますが・・)。
     エッチングまで上手くいったらソルダーレジストやシルクもどき処理までやりたかったのですが、パターン転写にまだ問題があるので検討中です。^^;

    エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)


★2017/11/12 追記
 「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事にオブラート転写方式での両面プリント基板作成手順(ソルダーレジスト処理についても書いています)を簡単にまとめました。

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中国製オルガニートの購入(その5) [MusicBox]

 MusicBox を購入してからそれほど使っていないのですが、演奏中にテープがスリップして一定速度での再生が難しくなってしまいました。orz
 最初は自作テープの厚さが適切ではないことが原因と思っていましたが、MusicBoxに添付されていた純正のテープでも滑るので MusicBox 本体側が原因のようです。

 MusicBox を確認してみたらテープを送り出す上側のシャフト(下の写真の丸印部分)が若干上下にガタがあり、テープのサポート力が弱まっている状態でした。

問題のシャフト部分(赤丸印)



 添付されていた純正のテープの厚さの実測値は 0.35mm ですが 0.40mm の工作用紙等でテープの自作を試してみたのがシャフトのサポート部分の摩耗を早めた可能性もあります。
 その2その4で紹介した模造紙2枚重ね方式では厚さが 0.30mm なので MusicBox に悪影響はないはずです(でも薄い分純正のテープより滑り易い)
 「厚めのテープを使用すると MusicBox が壊れる」とか「中国製の安価な MusicBox は使っているうちにテープが滑るようになった」等のコメントがネットにもありました。

 問題の原因が解ったのでシャフトのガタを抑え込むアタッチメントを 3Dプリンタで作成してみました(MusicBox のフレームに穴を開けてピアノ線を取り付ければ楽なのですが本体を加工したくない)

 MusicBaox にはテープを上から抑え込む可動部分とそれにテンションを与えるためのピアノ線が付いているので、シャフト用アタッチメントの取付方法が悩ましいところです。MusicBox のフレームにある丸いくぼみを利用して固定するようにしました。

シャフト用アタッチメント



 シャフトにテンションをかけるためには 0.8mm 程度のピアノ線がいいのですが、手持ちになかったので安全ピンを使いました。

シャフトアタッチメント(左側) シャフトアタッチメント(右側)


 結果としてテープの滑り問題は解消しました(^^)/。また、シャフト穴が楕円で上からテンションをかけているので、当初よりもテープの厚さに対する許容範囲が広がったのではないかと思います。 ^^

 最後にテープの適切な厚さについてですが、純正テープのように 0.35mm で均一であることが理想ですが、テープを繋ぎ合わせて自作する場合、連結部分でクランクの回転が重くなることが演奏時に問題になります。
 ホールを開ける領域については MusicBox の構造上、オルゴールを鳴らすピンが引っかかればいいので 0.35mm よりも薄くでも良いようです。テープの両端の 4mm の部分に関してはスピンドルのローラとの接触部分なのでなるべく 0.35mm に近いようにして、かつ段差が無いようにする必要があります。

 そこで画用紙2枚重ね(厚さ 0.30mm)で連結部分のホール領域はメンディングテープで連結し、テープ全体の両端 4mm の淵の部分には裏側にマスキングテープを張る(厚さ 0.35mm で段差ができない)のがいいのではないかと考えています。テープは淵の部分が傷み易いのでマスキングテープであれば容易に貼りなおせるというメリットもあります。

 シャフトアタッチメントのSTLファイルは ここ からダウンロード可能です(商用利用以外であれば自由に使用可能)



★2017/08/20 追記
 上側のシャフトにアタッチメントを付けた状態で手持ちのミュージックテープ(英語では "paper strip" と言うようです)を演奏してみました。スリップ問題はかなり改善しましたが購入当初と比べると若干滑りが発生し易い状況でした。

 考えてみると上側のシャフト受け部分と同様に下側のシャフト受け部分もすり減っているはずです。その証拠にシャフト受け部分に付けた潤滑剤は下側シャフトの方も黒く濁っています。

 テープのスリップ問題を解決するための最善の方法は上下のシャフトが引っ張り合うようにすればいいということになります。
 それならば3Dプリンタの出番はなく、下の写真のように安全ピンでシャフト用スプリングを作りました(右上のパーツが MusicBox 用に加工したスプリング)。

シャフト用スプリング



 MusicBox に取付けた状態が下の写真です(当然逆側にも同じように付けました)
 これでテープの滑り具合は購入当初と同様になりました(テープの厚さに対する許容範囲が広がり、状態は向上しているはず)
 製品には最初からここにバネを付けておいて欲しいものです。

スプリングの取付




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中国製オルガニートの購入(その4) [MusicBox]

 「中国製オルガニートの購入(その2)」の記事で MusicBoxManiacs のwebサイトで提供されている環境を使ってオルガニート(Hand Crank Music Box)用のテープを自作する方法を書きましたが、今回は同webサイトからダウンロードできる DXFファイルを利用してレーザーカッターで簡単にテープを自作する方法について書いてみます。

 私のレーザーカッター は大きなサイズのものはカットできないので上記webサイトからダウンロードしたDXFファイルを分割する必要があります。
 そこでレーザーカッター用にDXFファイルを分割するツールを作ってみました。

 ツールは Windows10 に入れた mingw & msys 環境で perl言語を使って作成しました。処理の概要は次のとおりです。

  1. DXFファイルのパース
     DXFファイルのフォーマットは結構複雑なのでヘッダー情報等はオリジナルのファイルのものをそのまま抜き取って使用している。
     オリジナルファイルから次の情報を抽出する。
    • ヘッダー等の固定情報
    • パンチホールの位置情報

  2. 単位系の変換
     オリジナルのDXFファイルはインチ単位の数値になっていてレーザーカッターやFreeCADで読込むとミリ単位の数値として処理されてしまったので 25.4 倍してmm単位に変換する。

  3. X-Y軸の入れ替え
     私のミニレーザーカッターはX軸よりもY軸の方がカット範囲が広いのでオリジナルはテープが横方向になっているが縦方向に変換する。

  4. DXFファイルの生成
     レーザーカッターでカットできるサイズに分割してDXFファイルを作成する。テープはカットした紙を 2枚重ねして作成するのでDXFファイルも front 用と back 用の2種類のファイルを生成できるようにしている。 -b オプション指定で back 用のDXFファイルが生成される。
     また、セロテープ等で繋ぎ合わせると演奏時に回転ハンドルがつなぎ目で重くなるので糊だけで繋ぎ合わせられるように分割のジョイント部分の位置を front と back でずれるように分割している。

 カットしたものが次の写真です。

レーザーカッターで切り取ったテープ



 文字で説明するより見た方が判り易いので YouTube にテープ作成作業の概要をアップしました。
 久々の YouTube へのアップですが Windows10 にしたら MovieMaker がなくなっていたので焦りました・・

https://youtu.be/GuoKIGkfxXo


★2017/08/15 追記
  MusicBoxManiacs のwebサイトからダウンロードできるミュージックテープ作成用の DXFファイルはまだ試行的なもので問題や利用例があれば連絡してくださいという旨がweb上に書かれています(DXFファイルexport機能のリリース通知は2017/05/23付けになっている)。
 実際、利用例としては CNC で穴あけしているショートビデオが1件あるのみです。今回のレーザーカッターでのテープ作成工程を YouTube にアップしたことを MusicBoxManiacs のスタッフに連絡したところ、Videos のページ に YouTube にアップした作成ビデオを追加してくれました。

★2017/08/15 追記
  MusicBoxManiacs の Website のトップページには Videos ページに登録されたコンテンツの一つが自動的に切り替わり表示されるようで、今見たら私の YouTube 動画が表示されていたので記念に貼っておきます。
 現在 4549 人のユーザーが登録されていますが、日本人は数名しかいないようです・・

MusicBoxManiacs のトップページの一部


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