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両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式 [PIC]

 引き続きピン間隔 0.65mm のSSOPパッケージのPIC16F88を実装する両面プリント基板の製作状況ですが、今回はオブラート転写方式で問題なくパターンができたので書いてみます。また、ソルダーレジスト処理もやってみたので状況を書きます。

 まず、初めにSSOPパッケージ付近のパターンを見直し、SSOPのピンから平行に引き出していた配線パターンにビアを打っていた部分をなくし、パターン間隔を広げてからビアを打つようにしました。
 こうすることで配線幅を0.25mm から0.30mm(CNCでパターン作成し易くするため)、ビアの直径を0.70mmから0.85mm(CNCで穴開けする際の位置ずれマージン拡大のため)にしてパターンを作り易いように変更しています。
 また、OneBitLoaderでPICに書き込む前提だったので 最初の Pickit での書込みをあまり考えていませんでした。
 「両面プリント基板の制作実験(その4)」で書いた回路図ではプルアップ抵抗を省略するためにRA5/MCLR/VPPピンとRB2を接続していましたが、PicKit3で書込み確認したところ、この状態では書込みがエラーになってしまうので直接接続ではなく10Kの抵抗で接続するように変更しました。
 RB2をコネクタに出さずにRA5をプルアップするだけでも良いのですが、RA5を入力として使う場合、ソフト制御でプルアップ/プルダウンできる分、自由度が増すかなぁ(そんな使い方はしないけど)と思いちょっとイレギュラーな接続にしています。

見直した回路図(DesignSparkPCBで作成)

★2017/11/06 追記 {
 R2が10Kではスイッチ状態をRB2では読めず(ON状態で2V程度で入力値は1)、R2を1Kくらいにする必要があります(今回はRA5で読むようにした)
}

 出来上がったパターン図は下図のようになりました。追加した10Kの抵抗はトップ側のコネクタの間に配置しています。

トップパターン ボトムパターン



 前回の記事ではオブラート転写方式について「エッチング時間を調整すれば実用可能な気がします」と書きましたが、やはりエッチング時間を調整にすることでエッチング後に断線やショートもないパターンができました。

 SSOPパッケージの回路パターンはオブラート転写方式でも十分作れることが判りました。
 ベタパターン部分に小さなホールが開くことがありますがエッチング前のチェック時にマジックで補正すればある程度防げます。

 また、配線パターン上にホールが発生して断線することは(今まで)なかったのでホールはベタパターンに発生しやすいものと思います。
 ホールの発生原因の詳細はまだわからないので改善対策も考えついていませんがあまり悪さもしないので現状はこのままにしています。
 基板にアクリル系の塗装をしてからトナー転写後、トナーの付いていない部分の塗装をアルコールで取り除く方法をネットで見つけ、原理的にはなるほどと思い、実際にやってみましたがトナーがアルコールで落ちてしまいうまくいきませんでした・・

 因みに上記のようにビアサイズを変更した結果、エッチング後のビアパターンの前後比較は下の写真のようになりました。

前回のビアパターン例 今回のビアパターン例



 それではオブラート転写方式でのプリント基板の作成作業の概要を順を追って書いてみます。

  1. コピー用紙へのオブラート貼り付け
     スティック糊(シワなしPiT)を使ってコピー用紙にオブラートを貼り付けます。
     張付け後、すぐにまだ温まっていない状態のラミネータに2回通します。この時ラミネータのローラーに貼り付かないように転写用シート(シールの台紙のような転写用シート)をかぶせます。
     ラミネートを通した後、剥がした転写シートは再利用可能です。

    トナー転写用に使ったオブラート(Amazonで購入)

  2. トナーの転写
     オブラートを張った後、少し(10分以上)時間をおいてから(時間を置かないと印刷時の熱でオブラートが伸びてパターンに亀裂が入る)オブラート部分にページプリンタでパターンを印刷し、パターン部分をきれいに切り取ります。
     切り取ったパターンをCNCで切り出した両面基板に位置ずれしないように注意しながらマスキングテープで基板の隅を固定します。
     固定した状態のものをコピー用紙で挟みラミネータ(「OHM A4 パーソナルラミネーター LAM-438」を使用)の温度切り替えスイッチ「Ⅱ」で3回程度通します。

    印刷したパターン(切取り中) 基板への印刷パターン固定

  3. 紙剥がし
     ラミネータに通した後、温度が冷めてから水に2~3分漬けます。
     コピー用紙に水がしみてくるとオブラートが(エイリアンのネバネバのような)ゲル状になるので紙を静かに剥がします。
  4.  残ったネバネバは水を流しながら指先で軽くこすると簡単に流れ落ちます。
     また、エッチング前に転写したパターンをチェックし、必要であればマジックペンでマスクを修正します。
     下の写真はマジックで修正前のものです。

    トナー転写結果(トップ) トナー転写結果(ボトム)

  5. エッチング
     エッチング液に浸しエッチングします。私はトナーが付いていない部分がピカピカ反射しなくなるのを目安にしていますが、エッチング過剰(断線等)よりはエッチング不足(ショート)の方が対処し易いし、不足の場合はそのままエッチング液に付ければ継続できるのでエッチング過剰にならないように注意しながら作業します。
     エッチング後はグランドのベタパターンと信号パターンが絶縁できているか、信号パターンが導通しているか、他の信号パターンと絶縁しているか等を確認します。

    エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)

     今回のパターンで最も混み入った部分であるSSOPのピンの部分拡大写真が下の写真です。特に問題なくきれいにできています。^^

    SSOPのピン部分の拡大

  6. ソルダーレジスト
     今まで自作したプリント基板にはフラックスを塗布していましたが、べたついた感じで半田付け時に汚れたり、フラックスがほとんど取れてしまったりしていたので今回は ebay で安く売っている(10mlで200円弱)PCB UV Curable Solder Maskを使ってソルダーレジスト処理をしてみました。

    UV_SolderMask


     マスクパターンの印刷シートは ebay から購入した「Inkjet &Laser Printing Transparency Film Photographic Paper For DIY PCB」を使っています。
     マスクはページプリンタで印刷したものを2重にして使いました。

    ソルダーレジストマスクの印刷

  7.  プリント基板にレジストのペーストを少量付けた後に透明シート(上記のプリント用シートを使用)を被せてなるべく均一になるように伸ばします。
     厚く塗りすぎると感光しても基板に接している部分が固まらず透明シートを剥がす時にレジスト膜がシート側に付着してしまうことがあります。


     伸ばした後は上に感光マスクを乗せてその上にガラス板を被せて紫外線を当てて感光します(私の環境では薄く塗った場合2分程度、厚めの場合3分程度でした)


     感光後にアセトンをしみ込ませたティッシュで拭き取ると固まっていないマスクした部分のレジストを取り除けます。


     最後にマスク部分を取り除いたものを再度感光しレジスト剤を完全に固めます。一旦固まると剥がすのが困難になります(剥がすというより削る感じになる)

     回路パターンよりは難易度はかなり低いですが、注意点としては

    1. 小さなマスクパターン部分は拭き取るだけでは取れないので尖ったもので剥がしとる。
    2. 感光不足だと透明シートを剥がす時にレジストがシート側についてきて部分的に剥がれてしまう。
    3. かといって感光しすぎるとマスク部分が剥がしづらくなるのでレジストの塗布は薄い方が作業しやすい(見た目も重視すればそこそこの厚さがいい)

     ソルダーレジスト処理後が次の写真です。トップ面はレジストを薄くしすぎたかも・・

    ソルダーレジスト結果(トップ) ソルダーレジスト結果(ボトム)


     ソルダーレジストするとプリント基板の銅面の酸化などに対する耐久性も上がりますし、何よりも見た目がプリント基板らしくなります w
     ペースト状ではなくフィルムのレジストで感光後removerで溶かすタイプのソルダーレジストならば、塗布の村が出来ずきれいに仕上がりそうですが、ebay 価格でも値段が高いです・・・

     また、酸化対策という意味では YouTube等ではスズメッキ処理する動画がありますが、必要な薬剤が ebay 価格でも高いのでまだ試していません。


 以上が今回行った手順の簡単な説明で、オブラート転写方式でシルク印刷もどきを行った後、CNCで穴開けする予定です。
 シルク印刷もどきについては、ページプリンタで黄色で印刷したものをオブラート転写方式で転写するつもりですが、PDFの印刷パターンを黄色に変換するやり方を調査中です( Inkscapeで黄色にしたら何故か解像度がガタ落ちした状態になった・・・)
 まぁシルク印刷はなくてもいいかなぁとも思っています。

★2017/10/04 追記
 PDFファイルのシルクデータをInkscapeで黄色にできたけどソルダーレジスト面にトナーを転写しようとしても表面がツルツルなのでうまく転写できないことが判りました^^;
 トナーではなくもっとべっとりしたものじゃないと駄目ですね・・・

★2017/10/09 追記
 Viaの処理についてですが、ドリルで 0.30mm の穴を開けて(手作業では無理なのでCNCで開けた)、その穴に 0.20mm の銅線を通して半田ペーストを塗ってからヒートガンで半田付けしてみました。
 結構細かい作業になりますが、ヒートガンでまとめて半田付けするので1本づつ半田付けするよりは効率的・・かなぁ~w
 因みに0.20mm のホールに0.20mm の銅線は通りませんでした。

Viaホールに通した銅線 半田付け後


★2017/11/09 追記
 「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事に改善したVia処理方法(曲げ固定Via処理法)を記載しました。

★2017/10/09 追記
 CNCでの両面基板作成検討状況を「CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作」の記事に書きました。

★2017/11/24 追記
 このブログは関連記事へのアクセスがし辛いのでどうにかしたいとは思っているのですが、メンテも面倒になるので対応できていません・・(今のところタグ検索でたどり着けるようにはしているつもり)
 この記事で記載したオブラート転写方式のブログデビュー記事(=ネット初公開記事)は「両面プリント基板の制作実験(その3)」になります。


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skyriver

 Viaの処理について追記しました。
 ホットガンで、まとめて半田付けできるのはいいのですが、半田ペーストを塗るのが大変・・・

 ステンシル無しの場合は半田ペーストの粘度が柔らかい方が圧倒的に塗りやすい。
by skyriver (2017-10-09 02:04) 

skyriver

 Via処理に関しての検討結果を下記の記事に書きました。
「曲げ固定Via処理法」と命名しました^^

「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」
http://piclabo.blog.so-net.ne.jp/2017-10-16

by skyriver (2017-10-16 11:12) 

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